2009年12月 3日 (木)

スラムダック・ミリオネア

 話題になった、インドのボンベイ、いや、今はムンバイを舞台にした映画です。弟が、2000万ルピー(1ルピーは2円弱ですから、4000万円くらい?物価が日本の何分の1かのインドではとてつもないお金です。日本ではたいしたことありませんがね)の賞金をクイズ番組で得ることになるわけです。そこに何らかの詐欺行為があったんじゃないかと、各質問の答えをどうして知っているのか、と調べていく過程で、兄弟がスラムに育ち、イスラムとの抗争で親を亡くし、孤児としてさらわれ、子供を使って物乞いをする組織に捉えられ、眼をつぶされそうになるときに逃げ出し、と波乱に満ちた生涯を送ってきたことが明らかになります。

 インドのスラムでの暮らし、そこからはいあがる人たちの壮絶な戦い、インドのものすごく混沌とした、清濁も富裕も貧困もごったまぜになった様子が、全編にあふれています。そして、クイズ番組のどきどきと、彼の人生のエピソードがうまくからみあって、見る人をあきさせない秀逸な映画になっていて、楽しいです。

 インドって、映画がすごい人気なんですよね。あの、くっきりはっきりした顔を描いた映画の看板がここあそこに並び、映画館は最大の娯楽です。四半世紀以上前にインドに行った時に、映画舘に入りました。もちろん全然セリフはわからないんだけど、ストーリーは単純で予想がつく感じ。映画そのものより、映画で楽しみコーフンしている人たちの姿が、ずーっと面白かったことを思い出しました。

 映画が終わり、ヒロインと無事であって、ハッピィエンドになるんだけど、その後、彼らが駅で踊りまくる映像がずーっと流れます。あーあ、インドの映画だなあ、ってなんだか笑っちゃいました。楽しい1作です。

スラムドッグ$ミリオネア

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2009年11月28日 (土)

路上のソリスト

路上のソリスト [DVD]

 LAには路上生活者がなーんと9万人もいらっしゃるそうです。9万人って、すごいですよね。LAタイムズのコラムニストが、偶然、路上で弦の足りないチェロを弾いている、でも、すごーくその音楽に魅かれる人@男性、アフリカ系に出会います。

 もっと、彼の音楽を聞きたいと思うし、知りたいと思う。ぜひ、弦の揃った楽器で弾いてもらいたいと思う。彼が奮闘して、楽器をそろえ、練習や演奏環境を整えようとすると、統合失調症気味の男性は、爆発してしまいます。路上で、ガラクタにしか見えない生活用品を全部抱えて暮らす長い間、長いあまり幸福でない生い立ちの中で、彼の心は、音楽以外のことに対する恐怖や、猜疑心や、たくさんの恐れでズタズタになってしまっているんです。

 最初は、コラムのネタくらいに思っていたのに、彼の音楽と、彼の音楽が見せてくれる壮大な世界、音楽に打たれる彼の姿に、仕事というだけじゃなく、のめりこんでいくコラムニスト。でも、どこかちぐはぐして、アパートを用意して、路上で寝なくていい生活を提供しよう、コンサートを開けるようにしようとするコラムニストの、実にまっとうな、普通の都会人としての感覚が通用しない相手へのいらだち、どこかやってやってる気持ちをもっている自分に出会います。

 2人のもがき苦しみ、でも最大の信頼を寄せていく姿、物質的には恵まれていて、しゃんと仕事もあって、立派な車も家もあるけど、実は孤独なコラムニストが、彼にチェロを与え、アパートを用意し、彼の音楽を支えることで生かされていく、そんな姿もいいです。支えることは、支えられることなんだ、とーってもたくさんの物を貰うんだな、と思える映画です。

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2009年11月27日 (金)

幸せのレシピ

幸せのレシピ

 うーむ、成功ってなんだろう、幸せって何だろう、っていう最近、よくある話。レストランのシェフ、自分で厨房を取り仕切る独身の結構きれいな気の強い女性、一人暮らしで料理一筋。朝は早くから市場に買いつけにいき、メニューとレシピのことばっかり考えてる。

 お姉さんが事故で急死し、一人残されたかわいい姪を、引き取ることになります。

 子供の都合にあうような生活をしてなかったら、たいへん。学校への送迎、彼女の食べるもの、夜はレストランの仕事があるし。そんなとき、彼女の元で働きたいっていう、やけ自由人っぽいサブのシェフが入ってきて、厨房の中も思うように行かなくなる。

 自分一人でがんばって、怖い顔して、厨房を支配してきたんだけど、スタッフも、自由人っぽい男の面白さにひかれているし、姪とはなかなかうまくいかない。あれあれ、どうしましょ。

 マジメな女性が、なんだか悪者いや、周囲とうまくいかない人になっちゃうのが気の毒です。誰よりもがんばって、努力して仕事してきたのにさ。

 その回答が、自由人との恋愛と、気の置けないビストロの料理をすることに転換っていうことになっちゃっているんだけど、なんだかだなあ、家庭的な幸せ、恋だ愛だ、家族だという幸せと、一流の仕事は両立しないっていう答えなんだよね。この図式、いろんな小説や映画でも出てくる図式ね。以前の「プラダを着た悪魔」でもそう。

 えーと、プラダはここね 2007年7月29日

http://ryosroom.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_ebae_1.html

 この前、ご紹介した犬の映画、「マーリー」でもそう。これは犬の映画なんだけど、飼い主の新聞記者としてのあり方への迷いという点では、この命題なんだよね。そんな二者択一か?そんなもんんか!?

 といつもいつも思う。成功している女性や男性で、パートナーの犠牲に上に成立つってもなくって、離婚もしてなくて、というケースって、すでにいくつも出てきていると思うんだけど、二者択一で、「どっちが本当の幸せかわかりますよね」みたいなストーリーってちょっと安易な気がする。まだまだ、時代はそんなもん!?

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2009年11月24日 (火)

ラブ・ダイアリーズ

ラブ・ダイアリーズ

 あの、ダコダさんの次の名子役なんじゃないかと思う、アビゲイルちゃんの映画です。あの子、器用だなあ、と思います。結構長いセリフも難なくこなすだけじゃなくって、なんだか表情が豊かで、父親の恋愛話を聞いているときに、昔の父親の態度を冷たい目で見ている、その目つき、いやはや、女の子は怖いわ!という目つきとか、子供っぽい、かわいらしい目つきとか、すごく器用に使い分けるんですら。すごい女優だああ!

 離婚が現実的になって、父親と暮らしている娘が、学校で性教育の授業を受けたことをきっかけに、父親が母親と結婚するまでのあれこれを、話してもらう(話させる)というストーリーで、父親の学生時代からの夢と仕事、そこでめぐり合う恋人や友人の話になっています。そーんなこと、子供に話すか!?ということはおいておいて、

 どうやって、今の人生を選んできたか、っていうことって、偶然と選択の積み重ねなんだけど、実は子供にとっては、とても有益で知りたいことなんじゃないかな、って思うんです。恋愛遍歴だけじゃなくって、学校や職業や、友人の選択も、生きる場所や、生活の選択も、ぜーんぶ含めて人生だよね。

 うちの大学生、3年生後半となると、さて就活がどうたら、といわれる時期で、あれこれ考えているのを見ます。今は、なんでも、「活」にしてしまう風潮があるんだけど、(シューカツとか、婚活とか、ともかくノウハウを得て、対処すべき事柄として位置づけられちゃうけど)、人生の選択って、そんな「活」する一時期の問題じゃないんじゃないかな、って思う。

 もちろん、いっぱいの偶然みたいなものと、その中で、選択してきた自分のあれこれがあって、今の生活、仕事、家族、友人、さまざまな状況があるわけだから、それ全部が、「活」なんだよね。そんなことを考え、すこーしずつでも、仕事すること、仕事して生きていくこと、家族や友人と生きて行くこと、そんなことをうまく伝えたいなあ、と思う。そうやって生きていくこと、彼が彼の人生を選択していくこと、ぜーんぶが活なんだけどなあって。

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2009年11月15日 (日)

7つの贈り物

7つの贈り物

 ハリウッドで最も稼ぐ黒人、ウイル・スミスさん主演の映画。おなじ、黒人の俳優さんて、次に稼ぎそうな、あの怖そうなデンゼル・ワシントンさんの刑事かやくざかしかできなくなってない?風貌とは違って、いい人っぽい役ができますね。

 この映画、ウイル・スミスさんが、いったい何者なのか、何したいのか、どうして人助けをし続けているのか、7-8割見ても全然わからないんですよ。怪しげな、国税庁の係員なの?ほんと??なんだか、全然わからないなあ、と思うばかりです。

 最後の最後に、彼がなぜ、こういうことをやっているのかが明かされるのですが、なんだか、その意図と、人助けをしている過程で知り合う人たちとの関係、恋愛、どれも、半端で、ふーむ、ふーむ、で見ているとそういうことだったのかあ、になってしまいました。

 好きな女優さんも出てたんですけど、そして、ウイル・スミスさんも、まあ、好きなんですけど、ちょっと物足りなかったかなあ。

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2009年11月 6日 (金)

マーリー

マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと

 このマーリーという犬のことは、ずいぶん前に書いてます。この本、読んでるときは、このオバカなマーリーとその友達のオバカな犬仲間のことで頭がいっぱいになっちゃいます。

 えーと、マーリーはここね。

 2007年3月13日

http://ryosroom.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_9614.html

 これが映画になりました。犬猫本及び犬猫映画は、どんなくだらないのでも、犬がニコニコ走っているだけで、いやーあはは、かわいいっ!って思っていられるので、借りてきました。原作は、マーリーをはじめ、バカ犬仲間の大笑いなお話しもいっぱいあったのですが、映画は、ほぼマーリーと家族の話になっています。あの、プラピの元奥さん、私は好きなんですよね。

 マーリーもメチャクチャかわいいんですけど、映画は、飼い主の新聞記者としての迷い、みたいなものも、大きく取り上げられています。同僚の(これが、グレイス・アナトミーで、デレクの妻の浮気相手の、女タラシの整形外科医をやった男なんだけど)、世界中飛び回って、戦争ネタや麻薬ネタを追いかけている様子を見ながら、家族や犬や、近所のネタを書いている自分、犬を話題にしたコラムが受けている自分、子供が3人も居て、手のかかる犬も居て、郊外に住み、妻は子育てのために退職して、自分が稼がなきゃならないことはわかっている。自分に向いているのはコラムかもしれない。コラムが好評で昇給してもらったんだけど、世界中を取材で飛び回る独身の同僚の仕事も、素敵に見える。そんな男の苦悩、いわば、男の幸せってなんだろう、ネタっていう面もあるのが面白い。

 もちろん、マーリーは、ものすごくかわいくって、いくつになっても、なんでもかじっちゃってたいへんなんだけどね。

 終盤、違う新聞社に転職して離れ離れになっていた同僚と、偶然、街でばったり会います。彼は、麻薬事件を追って、遠くから取材中。詳細不明ながら、たぶん独身で、街ではナンパばっかりしてます。一方、飼い主は、郊外に家を持ち、犬を飼い、子供3人、家族の写真を見せます。同じ、新聞社勤めながら、違う道を歩んだ2人。ちょっとした道での会話で、「お前もがんばったんだああ」と同僚が言います。「お前こそ~」と言い合う、男性2人。それぞれの生き方を認めているちょっとした思いやりがいいな、なんて思いました。犬猫映画だけど、そんなことを思いながら読みました。解は一つじゃない、男性も女性も、答えはいろいろ、そういう時代なんじゃないかな。

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2009年10月29日 (木)

グラン・トリノ

グラン・トリノ

 クリント・イーストウッドさんの暗そうな映画だなあ、今晩は、半分くらい見て寝ようっと、と借りてきたんだけど、期待値低めのせいか、面白くって結局最後までちゃーんと見てしまいました。

 彼が、気難しい笑った顔をメッタに見せない、しかめっ面で、ムスコたちにもなんだか敬遠されている妻をなくした一人暮らしの老人役。なんだか、いつも面白くなさそうな顔をしています。妻の付き合いで通っていた教会にも通わなくなって、牧師さんが様子を見に来ても追い返すし、息子たちとは気まずい関係。隣人は、アジアからの移民で、「黄色いサル」なんていっちゃう。孤独で、犬を相手に(なんだかすごーくかわいい老犬)、プロ並みの手腕で家の修理をしたり、唯一の自慢できる趣味のクラシックカー(これがグラン・トリノなのだ)の手入れをしている老人。朝鮮戦争で、何人ものアジア人を残酷に殺してきたという悔恨を心の中に深く深くもっているのです。

 彼が、ひょんなことから、隣の家のモン族(というラオス、タイなどに分布している民族)の姉と弟と親しくなります。彼らのパーティに招かれたりするうちに、いつしか仲良くなっていく隣人と老人。そこに事件が起こります。

 戦場での自分の行為を許せず、幸せにならなかったような偏屈な老人が、少しずつ心を開いてきた隣人たちに降りかかった災難に、彼が立ち上がります。

 どきどきしながら見たラストは、悲しい悲しい幕切れです。彼の隣人を守ろうとする決意、そして人のためになろうとする気持ち、悲しい覚悟です。

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2009年10月24日 (土)

ダウト

ダウト ~あるカトリック学校で~

 メリル・ストリープが主演だからなあ、って借りてきたんだけど、いーーや!!これ、ダメだわああ!心理劇?っていうの。ダメダメダメ!うーんざりしちゃった110分。

 修道院が経営している学校が舞台。そこの校長先生がメリル・ストリープ。厳しいことで子供たちに恐れられている。この学校の司祭さん(柔和で多くの人に慕われている感じ)が、ある黒人男子生徒に特別な感情を持っているんじゃないかと、疑いはじめる。司祭の前歴に何か問題はないか?この黒人生徒の家庭は?

 彼への疑惑にゆれる他の人は、優しい司祭さんだと思っていたのに、と疑ってみたり、彼と話して、信用してみたりとゆれるばかり。本当のことはどうなんだろう!?

 大量破壊兵器があるかも、ということでイラク侵攻を推し進めたアメリカの様子と、マスコミやメディアに踊らされる大衆心理を描こうとしているとかいうけど、映画は、どういう広がりを感じるよりもなによりも、なんだか閉塞的な人間関係と、真実(なんてものがあるのかないのか)という亡霊を追おうとする人、真実なんてどうてもよくって、疑わしい人を排除したい校長という図式で重たくって重たくって、疲れてしまいます。

 なんだか、重たい、鬱陶しい映画を見てしまいました。ぐったり。

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2009年10月18日 (日)

ブロークン・イングリッシュ

ブロークン・イングリッシュ

 NY[に住む、彼氏が欲しいなあ、って思っている20代の女性(結構美人)、仕事はホテルの顧客対応係りだけど、なんだか頼られているんだか、いいように使われているんだか、の毎日。出会う男に、なびいちゃうけど、ロクな男じゃない。みーんなウソつきで、その場限りに遊ばれるだけ。友達はさっさと結婚しちゃっているし、家族からは、「いい人は居ないの?」攻撃だ。あーあーあー!

 という毎日。ひょんなことで出会った男は、フランス人、英語はヘタ。短期間の滞在で、パリに戻っちゃう。

 どうせ、フランス人、パリの男との数日のアバンチュールって思ってつきあったけど、居なくなってみたら、あれ?淋しい!!パリにおっかけていくことにする…が!!電話番号をなくしちゃったよ。もうパリで買物して、遊ぶしかないじゃん!広いパリで、探している男に出会えるわけない!と開き直って、自分の足でパリを歩いてみる。面白そうなこともいろいろ、、、、って思ったところで、偶然再会!なんだか、ちゃんと立って、歩いてから再会できたことが、よかったかな。主人公の女性が、私好みの美人でした。

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2009年10月14日 (水)

痛いほど君が好きなのに

痛いほどきみが好きなのに

 NYのおしゃれなところじゃなくって、もっとゴチャゴチャ生きているところで、20歳の男の子、役者志望がある女の子と出会います。歌手を目指して、小さなバンドで歌っている、ちょっと個性的な、今風にかわいく今風におしゃれでスマートじゃないんだけど、黒目がちの魅力的な女の子。その女の子との出会い、恋をして、今は夢が大事っていう女の子に猛烈にアタックして、恋愛して、一緒にメキシコ旅行して、盛り上がって結婚しようなんて思うくらいに盛り上がるんだけど、NYに戻ってくるとうまくいかなくなる。

 どーってことない、世界に何万、何億とある恋愛話の一つ。男女が出会って、恋愛して別れていく、まあ、ありがちな恋愛話。でも、なんだか一生懸命で、必死で、もがいて、恋と恋人と、自分の夢と、でもみくちゃになって、器用じゃないし、スマートでもカッコよくもないけど、青春だなあ、って。必死になるから、いっぱい傷ついて、いっぱい落ち込んで、すごおおおーーく悲しくって、すごーーくつらいけど、やっぱり真剣になった方がいいな、なんて思う。いいのだ、20歳なのだ、いっぱい恋して、いっぱい傷ついていいのだ。君をいい男に、おとなにしてくれるよ、っておばちゃんは思うのだ。完全におばちゃん目線。

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