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2017年8月 2日 (水)

私の男

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 直木賞をとった作品だと思います。文庫を見つけたので、そういえば読んでなかった!と読みました。

 

 幼い子が、地震で両親をなくし(奥尻の地震だと思う)、親戚の20台の独身の男性に引き取られて育てられます。彼女が、結婚する直前という設定で、この義父とのことを思い出したり、義父を永遠に自分のものである、というという形になっています。

 

 一般的な良識から見ると、親戚の幼い女の子を20台の独身の親戚の男が引き取るっていうのは、無理があるとか、おかしい、ロリコン?という話にもなりがちだち、しかも実はその女の子は、その男性の子供であることがわかってきて(かつて、子供の両親の家に短い間滞在したことがあって、ということがわかってくる)、自分の子供を育ててるのか、っていうことになるんだけど、長じた後には肉体関係が生じるということになっていくわけだ。

 

 うむ、良識とか社会規範とかからいうと、とーんでもないんだろうけど、それをとがめて「悪いことは言わないから、よその土地でやりなおせ」といったおじさんを殺し、2人で逃げて都会の片隅で暮らしているという設定。殺人も、近親相姦も、メチャクチャなんだけど、全然、醜くない。なんかせつなく、愛しい気持ちになるところがすごい。ここまで双方が自分の存在と相手の存在を互いに食い合う、自分は相手のもので相手は自分のものでおぼれあって食い合っているんだったら、それが社会的にどんな関係であっても、規範がどうであろうと、しょうがない気持ちになる。そこまであれば幸せなんじゃないかと。そんな風に思えちゃうところが不思議。

 

 そして、その娘が、どーってことない男と結婚することになり、父親っていうか彼氏っていうか、男が消えていく。消えるしかない、義父としては存在しえない、それもよくわかる。そんな話。読んでて苦しくって、せつなくって、むなしい、気持ちになる。人と人とはどーんなに求め合っても、一体にはなれないむなしさを思う。 

 

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コメント

忘れられない作品です。人の道から外れても
選ばずにおれないことがあるんだって
認めさせられた作品でした。

環さん、こんにちわ、コメントありがとうございます。自分の父親ですよ、殺しちゃうんですよ、って思っても、納得しちゃう、どうしようもないんだもん、しょうがないんだもんって思えるんです。この作家さん、すごいわー、と改めて思いました。

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