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2016年12月20日 (火)

Aではない君と

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 薬丸さんです。数年前に妻と離婚して、中学生のムスコは妻と暮らし、自分は2-3か月に1回くらいムスコと会う、という生活をしている中年のサラリーマンがいます。もちろん、ムスコのことは大切に思っている、と自覚しているけど、実際は生活はすべて妻にまかせ、養育費は送っているものの、新しい恋人がいて、彼女と再婚してちゃんと暮らしていくためには、養育費を送ってもちゃんと稼げるように必死に仕事をしていて、ムスコが父親の部屋に行ってみたいといっても、散らかっているからなあ、と連れていかず(新しい彼女の物がいっぱいおいてあったからだ)、数か月に1度会うだけの父親とも言えない父親だったわけだ。

 

 それが、突然、ムスコが同級生を殺して埋めたと逮捕された、という連絡がきて、ひたすら驚き、ショックを受けるところから物語は始まります。逮捕されちゃうと、ムスコのいい分を聞くこともできないし、14歳の犯罪としてマスコミには追われるし、別れた妻はショックでおかしくなっちゃうし、元の家には戻れないし、弁護士やらなんやらいろいろだけど、会社になかなか事情は話せないしと、たいへんなことになります。さもありなん。

 

 このあたりが、とてもリアルです。普通の会社員生活は送れなくなります。弁護士さんと話していても、被害者の気持ちになかなかなれずに、自分の息子がするはずがないとか、賠償責任はあるのか、とかまあ身勝手なことばかり思うのも、きっと人間はそうなんだろうなって思うし。そんな父親の葛藤がすごくわかる前半。そして、必死になってムスコを守ろうと付添人になったりして家裁の審判をうけ、少年院を経てムスコが社会に戻ってきます。人を殺しておいて10代の半ばで世の中歩けるのか、という批判もある一方、ムスコを本当に更生させて、ちゃんと生きさせたいと思う親心もわかります。そこでの彼の葛藤、働く場所、学ぶ場所の見つけ方、そして本当に謝罪とは何か、ということを考えさせられるラストにつながります。

 

 安易にハッピイエンドにしなくて、苦しみがいっぱい残る終わり方ですが、それが返って正解のない贖罪ということ、それでも生きるということへの真摯な問なのだと思えます。よかったです。一気よみ。

 

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